お墓のサブスクと「プレート型墓地」について/お墓にまつわるおはなし③

お墓にまつわるおはなし第三弾はお墓のサブスクと新設する「プレート型墓地」についてのおはなしです。今回も一般的なポイントに続いて正光寺でご案内する内容を詳しくおはなしします。

※更新 5/11のおはなし会でのみなさんの声をふまえて料金形態を少し改定、買切り使用の選択肢も設けました。

サブスクというお墓のかたち

お墓についてさまざまな相談を受ける中でもらったリクエスト。永代供養として納骨堂の利用を考えていたけれど、小さくてもいいから実際に手を合わせて向き合えるお墓の方がいいんじゃないか。けれどもお墓の後継者がいない、いても遠方で暮らすこどもたちに引き継ぐことはむずかしい。小さいお墓でもたいへんな費用がかかるし、家族の同意もなかなか得られない。何かよい形を考えてほしいという切実な願いに、この春永代供養をセットにしてサブスク形式を取り入れたプレート型墓地の設置を決めました。

お墓のサブスクとは

「お墓のサブスク」というのは、最近注目されはじめている新しい形のお墓のかたちです。従来一般的な「墓地区画を購入して石塔を建立する」スタイルではなく、月額・年額制で既設の墓地区画を利用するという仕組みです。

お墓のサブスクの一般的な特徴

・お墓を「買う」のではなく「借りる」というかたち
・永続的に土地を所有せず、希望する一定期間(契約期間中)利用する
・月額・年額による使用料
・更新が可能。契約満了後は合祀墓に移して永代供養に移行できるプランもある
・使用料に管理清掃分が含まれているため、墓地管理費などの追加費がない
・墓じまい(高額になりがちな墓石撤去費用)が不要
・空いた区画の再利用が可能、都市部など狭い土地を長期的に有効活用できる
・「長期継続的にお墓を維持するのは難しい」「無縁仏(墓)になるのが心配」という人たち向け

メリット

・費用が抑えられる
・更新時以外の追加費用がない
・管理や掃除の手間がかからない
・後継者なしでも最終的な供養(納骨)まで安心できる

気になる点

・従来のお墓に比べるとかなり小さい区画
・民営の施設などその特性上、利用が長期になると費用がお墓を建立するのとかわらなくなる
・献花台、献香台などは共用の場合がある

ポイント

ライフスタイルの多様化とこの先大きく変化する地域。現代においてサブスク形式のお墓は都市部に限らず全国的に有効な選択肢といえるでしょう。その一方で民間事業者主導による運営が多く、利用期間全体でかかる総費用の試算や、お墓としての普遍性~日々の暮らしの安心につながるような場所となり得るかどうかの見定めが重要なポイントです。

正光寺のプレート型墓地

正光寺が新たに設置するプレート型墓地は夫婦など期間限定利用〜合祀墓納骨(永代供養)までがセットです。管理料なしで、墓じまいの心配いらず。基本利用期間を過ぎても定額での利用期間延長が可能。空いた区画は次の方へ。サブスク形式を取り入れた、新しいお墓のデザインです。

正光寺のプレート型墓地の概要

・新設44区画
・基本費用総額50万円
・墓地管理費なし
・墓じまいの心配なし
・各プレートに好きな文字など彫刻可能
・個別に献花、献香が可能
・夫婦など期間限定で使えるお墓
・最終埋葬の方の3回忌まで利用後、合祀墓納骨(永代供養)までセット
・基本使用(合祀墓納骨)は2人(3人目から追加納骨料一人50,000円)
・基本使用期間最大15年まで(基本期間を超えると定額追加料金が派生)
・定額追加使用料20,000/年(月換算1,666円)/サブスク形式
・ペットの埋葬も可能
・空いた区画はクリーニング後、次の利用へ
・買い切り使用70万円(合祀墓納骨2人分込み、最終埋葬3回忌まで)
※その他利用条件について規定あり

他の施設との違い/ポイント

プレート型墓地の継続利用における費用試算表
民営のサブスク形式墓地は10年使うと70万円を超えてしまうなど、都心部ならまだしも地方で考えればあまり割安とは言えません。この点、正光寺のプレート型墓地は企画運営をすべてお寺として行うことで比較的費用を抑えることが可能なのとともに、企画運営の一貫性による安心感が大きいと言えます。また空いた区画はクリーニングの後に次の利用が可能となることは、限られたスペースの有効活用/より多くの方に利用してもらえる/今後の地域社会の変化への対応という点でとても重要です。

基本使用15年という期間は一般的な平均寿命を考慮して設定しました。まずは安心してご夫婦などで利用が続けられるように。後継者がいる場合など基本期間を過ぎた後も継続してお墓として利用したい場合は定額にて延長することが可能、追加納骨料を収めることで3人目以降も埋葬が可能です。お墓について質問の多いペットの埋葬も可能です。

今回新設は44区画。基本使用期間は契約時からスタートするので、急いで申し込む必要はありません。状況に応じて増設も予定しています。いつか安心できる場所が身近にあるということを地域に知ってもらうことがまず何より大切だと思っています。

また正光寺ではその他小型墓地、永代供養(納骨堂)、合祀墓直接納骨の案内も行っているため、それぞれの家族の状況、考え方にあわせて、どれが一番良い選択肢かじっくりと検討できることもポイントです。ちなみにプレート型墓地費用が正光寺の小型墓地購入(墓じまい・合祀墓納骨まで含む)の費用と変わらなくなるのは40年以上継続利用した場合です。

プレート型墓地に限らずどの選択肢もみなさんが安心して使い続けられるように、その安心を元にお寺を通じて地域の新しいつながりが生まれていくように、そんな視点が最大の特徴です。

5/11㈰お墓にまつわるおはなし会③を開催

正光寺では5/11㈰15:00~、お墓にまつわるおはなし会の第3弾として、プレート型墓地の説明を中心としたイベントを開催します。プレート型墓地のさらに詳しい説明はもちろん、お墓のことやその他日々の暮らしの中のどんなことでも、みんなでおしゃべりしながら不安を解消し理解を深めていける場になるように。どうぞお気軽にご参加ください!

さいごに

ライフスタイルの多様化とこの先大きく変化する地域において、お墓にまつわる意識もさらに変容していくでしょう。サブスク型・小型化・利便性重視のお墓の広まりの一方で進むお墓じまい。そんな中大切なのは大きさでもステイタスでもなく、家族の純粋な安心のための、新しいお墓の形の模索であり、それはお墓の役割の原点に回帰するものでしょう。また地域性の高いお墓だからこそ、その地域に根差したお寺などの主導による運営が重要だと思います。今後地域でお寺が果たすべき役割は少なくありません。新しい形のお墓を通じて、日々の不安が少しでも解消され、地域の生活に安心が得られることが何より正光寺の目指すところです。